検査室
厳しい暑さが続く季節になりました。
この時期は熱中症だけでなく、「脱水症」にも十分な注意が必要です。脱水状態になると体調を崩すだけでなく、健康診断や血液検査の結果にも影響を及ぼすことがあります。
脱水症とは?
脱水症とは、体内の水分や塩分(電解質)が不足し、身体の働きが正常に保てなくなった状態です。
軽い脱水では、のどの渇きやだるさ程度ですが、進行するとめまい、意識障害、熱中症など重篤な状態につながることがあります。
血液検査で脱水は分かるの?
脱水症が疑われる場合は、血液検査や尿検査を行い、血液の濃縮状態や**腎臓の働き(腎機能)**を確認します。
特に次の項目が重要な指標となります。
BUN/Cre(尿素窒素/クレアチニン)比
BUN(尿素窒素)とCre(クレアチニン)の比が20以上になると、脱水症が強く疑われます。
ヘマトクリット・ヘモグロビン・総蛋白・血清アルブミン
脱水になると血液中の水分が減るため、血液が濃くなり、これらの数値が高くなることがあります。
ナトリウムなどの電解質
電解質の値は脱水の原因によって変化します。
- 水分だけが不足している場合は高値になることがあります。
- 下痢や嘔吐などで水分と塩分の両方が失われる場合は低値になることがあります。
尿検査
脱水では体が水分を保持しようとするため、
- 尿量が少なくなる
- 尿の色が濃くなる
- 尿比重が高くなる
といった変化がみられます。
検査結果は総合的に判断します
これらの検査結果は、脱水だけでなく、腎臓の病気や貧血など他の要因でも変化することがあります。
そのため、医師は血液検査だけではなく、
- 問診
- 血圧
- 脈拍
- 舌や口の乾燥
- 尿量
- 全身の状態
などを合わせて、総合的に脱水症かどうかを判断します。
また、血液検査や尿検査は脱水の程度を調べるだけでなく、熱中症による腎機能障害や多臓器障害などの合併症を早期に発見するためにも重要な検査です。
健康診断を受ける際の注意点
脱水状態で健康診断や血液検査を受けると、腎機能や血液濃縮に関する項目が実際より高い値となることがあります。
正確な検査結果を得るためにも、普段からこまめな水分補給を心掛け、体調を整えた状態で検査を受けることが大切です。
暑い季節は、のどが渇く前から少しずつ水分を補給し、脱水症や熱中症を予防しましょう。

