地域連携室 新田
先日、娘のピアノ発表会がありました。
ピアノを習い始めて約5年。初めての発表会では先生との連弾でしたが、今では一人でステージに立ち、多くのお客様の前で演奏できるまでに成長しました。
娘の出番が近づくにつれ、緊張していたのは本人よりも私の方だったかもしれません。「無事に弾けるだろうか」と落ち着かない時間を過ごしていましたが、その心配をよそに、娘は堂々とした表情で楽しそうに演奏していました。
発表会では毎年少しずつ難しい曲に挑戦します。練習中は「本当に間に合うのかな」と不安になることもありますが、本番で一音一音を大切に奏でる姿を見るたびに、その音色がこれまで積み重ねてきた努力や成長の記録と重なって聞こえてきます。
実は、私自身も幼い頃にピアノを習うことへ憧れ、親に涙ながらにお願いした思い出があります。しかし、家庭の事情もあり、その願いは叶いませんでした。その話を娘にしたとき、「ママの夢をかなえてあげる。私が習って教えてあげるね。」と話してくれたことが、娘がピアノを始めるきっかけでした。
もちろん、思うように弾けず、「もうやめたい」と口にした時期もありました。それでも練習を重ね、その壁を乗り越えたことで、演奏する楽しさや達成感を少しずつ感じられるようになり、今日まで続けています。
続けることは決して簡単ではありません。だからこそ、努力を積み重ねることで得られる喜びや、自分自身の成長を実感できるのだと思います。
音楽は、楽譜に書かれた音を奏でるだけではなく、その人が歩んできた時間や努力、そして成長までも響きとして届けてくれます。一音一音には、その日まで積み重ねてきた日々が詰まっています。
私たち医療の現場でも、患者さん一人ひとりの回復や生活の変化は、一歩ずつ積み重ねられていくものです。大きな変化だけではなく、小さな「できた」の積み重ねが、その方らしい未来につながっていきます。
来年もまた、娘の成長が音色となって響く発表会を迎えられることを楽しみにしています。そして、音楽のように、一人ひとりの歩みを大切に見守っていきたいと思います。

