検査室
以前、「生化学検査の血液が固まるまでの時間について」というブログを掲載しました。
今回は、もう一歩踏み込んで、「生化学検査では、なぜ血液を固まらせて“血清”を使うの?」という疑問について、検査室からご紹介します。
生化学検査では何を調べているの?
生化学検査では、血液や尿などに含まれるさまざまな成分を測定します。
例えば、
- 血糖値
- コレステロール
- たんぱく質
- 肝機能に関係する酵素
- 腎機能に関係する成分
- 電解質(Na・K・Clなど)
など、健康状態を知るために重要な項目を調べています。
では、なぜこれらの検査に「血清」が使われるのでしょうか?
血清(けっせい)とは?
血液を採血したあと、血液を凝固させると、血球などが固まって分離されます。
その上にできる、黄色みを帯びた透明な液体が「血清」です。
血清には、血液中のさまざまな成分が含まれており、生化学検査ではこの血清を使って多くの項目を測定します。
なぜ血液を固まらせる必要があるの?
一見すると、「検査をするのに、わざわざ血液を固めるの?」と思われるかもしれません。
血液を固めるのは、検査に適した血清を取り出すためです。
採血した血液をそのまま長時間放置すると、血球の影響などによって検査値が変化することがあります。
そこで、血液を適切に凝固させた後、遠心分離を行い、血球などと血清を分けます。
こうすることで、測定に影響を与えるものをできるだけ取り除き、安定した状態で検査を行うことができます。
正確な検査結果のために
血清は、多くの生化学検査に適しており、安定した状態で測定しやすいという特徴があります。
また、血球などを適切に分離することで、
「検査結果への影響を少なくする」
「検査機器のエラーやトラブルを防ぐ」
「多くの検査項目を効率よく測定する」
といったことにもつながります。
つまり、血液を固まらせることは、より正確で安定した検査結果を得るための大切な工程のひとつなのです。
すべての検査で血清を使うわけではありません
ここで、もう一つポイントがあります。
実は、生化学検査のすべてで血清を使用するわけではありません。
検査項目によっては、血液が固まらないようにする薬剤(抗凝固剤)が入った採血管を使用し、血液を凝固させずに遠心分離して得られる「血漿(けっしょう)」などを使うこともあります。
検査する項目によって、適した採血管や検体の種類が決められています。
「血液を固める」ことにも理由があります
普段何気なく受けている血液検査ですが、採血した血液は、そのまますぐに機械で測定しているわけではありません。
検査項目に合わせて適切な検体を準備し、決められた手順で処理することで、正確な検査結果につなげています。
「なぜ血液を固めるの?」
その答えは、検査に適した「血清」を作り、より正確で安定した検査を行うためです。
次回、血液検査を受ける機会がありましたら、採血された血液が検査室でどのように処理されているのか、少しだけ思い出してみてください。
検査結果の裏側には、正確な検査を支えるさまざまな工程があります。

