域連携室 新田
今年も残すところ半月となりました。
12月は「師走」と呼ばれ、僧侶(師)が年末に向けて忙しく走り回る様子から、「師が馳せる月」が語源といわれています。年末年始を控え、日々慌ただしく、疲れを感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
先日、車を走らせていると、黄金色に輝くイチョウの木と、落ち葉が敷き詰められた黄色い絨毯のような風景が目に留まりました。その鮮やかさの中に、どこか儚さも感じられ、冬の訪れを実感しました。
イチョウは約2億年前のジュラ紀、恐竜が生息していた時代から存在しているとされ、現存する最古の樹木のひとつです。また「火に強い木」としても知られ、街路樹として多く植えられています。四季を通じてさまざまな表情を見せてくれますが、この時期に葉が黄色くなるのは、少しでも多くの栄養を幹に蓄え、厳しい冬を乗り越えるための生き残りの工夫だといわれています。次の春に向け、じっと耐え忍ぶその姿に、力強さを感じます。
近年、物価の高騰や自然災害などにより、私たちの日常生活を取り巻く環境は厳しさを増しています。医療の現場においても、「病院を維持し続けること」が大きな課題となっています。地域に根差した病院は、地域住民の皆さまにとって、かけがえのない存在です。
イチョウの木が毎年変わらぬ姿でそこにあり続けるように、高原病院もまた、地域の皆さまにとって変わらぬ安心と希望を届け、これからも支え続ける存在でありたいと考えています。


