地域連携室 髙石
先日、宮崎県こども・若者総合相談センターのヤングケアラーコーディネーターによる講演を拝聴する機会がありました。
ここ数年、テレビなどでも耳にするようになった「ヤングケアラー」という言葉ですが、現在では医療機関においても入退院支援の対象のひとつとして考慮されるようになっています。当院は高齢の患者さんが多いため、患者さんご本人がヤングケアラーであるというよりも、ご家族の中にヤングケアラーがいるケースが想定されます。
講演では、実態調査の結果も紹介されました。それによると、小・中・高校生では、1クラスに1~2人の割合でヤングケアラーがいる可能性があるとのことでした。
「相談しにくい理由」として最も多かったのは、「相談するほどの悩みではないと思っている」というものでした。家庭内の手伝いの延長として家事や家族の世話を担っている場合が多く、本人や家族にヤングケアラーという認識がないことも少なくありません。
判断のひとつの視点として、「その子どもが家事や家族の世話をしなければ家庭生活が成り立たない状況であれば、ヤングケアラーに該当する」との説明がありました。表面化しにくい背景には、家庭内で解決しようとする意識や、外部支援への抵抗感、「家族のことを知られたくない」「親から口止めされている」といった事情もあるそうです。こうした点が、支援の難しさにつながっていることを学びました。
もし医療機関でヤングケアラーの存在に気づいた場合でも、医療機関だけで問題を解決することは困難です。行政や関係機関など、多職種・多機関との連携が重要であると改めて感じました。
今回の講演では、判断基準や具体的な事例、グループワークを通して理解を深めることができました。同時に、「自分に何ができるのか」を考える大切な機会となりました。
当院でも、患者さんやご家族の背景に目を向けながら、必要な支援につなげていけるよう努めてまいります。

